現在の宮川町

芸娼妓置屋、約七十軒。 芸妓四〇〇名。 娼妓四〇〇名。 揚屋約三百軒。 その内代表的な揚屋(貸席)は遊喜楼、大和屋。 西秀の三軒で、遊喜楼は親切、大和屋は客室が多く、西秀は最新の設備を、それぞれ特色としてゐる。

京都としては二流の花街で、凡て現金制度でやつて居るが、それだけ大衆的で諸事手軽な点が却つて一部の旅客などには喜ばれてゐる。 規模は大きくないが歌舞練場をも有し、義太夫は他のどこの廓に比しても優つてゐるといふ評判である。