点茶

都をどりでも鴨川をどりでも、場内に点茶席の設けがあつて、盛装した芸妓及び舞妓が控えて居つて、特等客と一等客には茶を立てゝ出す習慣である。 これは初めて京都に博覧会の開催された時、仙洞御所を会場に拝借し、毎土曜・日曜に都踊りと鴨川踊の出演者中非番の舞妓が十五名づゝ交代で、御苑内の醍花亭といふ御茶室で点茶の儀を勤めたのが起原で、引つゞぎ此の興行の附属として居るのださうである。 美人のお手前で一ぷく、かうなると特等一等の入場料も決して高いものではないが、時にはお上りの大尽が飲み方にまごついて居るのも面白い。