芸妓扱席

略して「店」といふ、略東京の芸妓検番に同じものであるが、特色は、東京の如く一花街に一検番又は二検番といふ如き統一組織でなく、各店が独立した線香場を有つて居ること、例へば南地には二十一軒北陽には九軒の芸妓扱席がある。 但「扱席」と「貸席」を兼業のものがある、たとへば南地で有名な富田屋、大和屋、河合の如きが其実例だが、要するに経営者が同じと云ふのみで、貸席の富田屋と芸妓扱席の富田屋とは元来別個の性質のものである。