名物「雪見炬燵」

多摩川の雪景のすぐれて居ることは私が贅説する迄もない、而してこゝに水光亭独特の「雪見炬燵」なるものあり、新市街花街の一名物と云つてよからう。 炉を深く切つて腰掛式にしたもので、上部は普通の炬燵と異る所はないが、足の爪先から腰の辺までぬくぬくと温まる心地好さ、連れこみの雪見酒などは怪しくも趣き深きものなりけらし。