主なる料亭・待合

二十三軒ある料理屋中代表的な家は「松泉閣」、次で「村田家」。 料理屋で旅館を兼ねて居るものに歓喜館、壽々川の二軒があり、四十軒の待合茶屋中群を抜けるものを求むれば、「浜茶屋」に「公々」であらう。

就中この地の誇りは松泉閣で、「東京の箱根」と自称するだけあつて庭園もひろく、泉石の配置に意を用ゐ、鉱泉浴場・演芸舞台の設備など整はざる所なく、目黒の雅叙園、へちま風呂の「丸子園」と併せて西部東京の三幅封とせられる。