北原白秋作るところの「大森海岸小唄」がある、作曲町田嘉章、振付花柳壽太郎。
沖はトントン遠浅、しびには海苔よ、チララ、サララ、トントン
うしろ見かへりや、ホホホーイ、富士の山。 ホホホーイ、見かへりやふじの山。
噺子「大森海岸柵づくり、さらりとお舟で、漕いだヾ。 」
はるか彼方は、上総に安房よ、いつも向ふ地、なぜかすむ。 (以下囃子同じ)
汐干汐干とどこまで行たぞ、いまは月夜の、潮の音。
立つな朝霧ほのヾ夜明け、ぬしの飛行機、二つばね。
夜目で見たのは気強い若衆、待てと誰が言ふた、鈴ヶ森。
外に「海苔の香」といふ小唄もある。 おもへばこのあたりは浅草海苔の本場であつた。