今日の講武所

芸妓屋五十五軒。芸妓約百三、四十名。幇間一名。

料理店 十軒(代表的な家は開華樓、花家)。

待合 二十一軒(主なるもの、つぼね、かつのや、きん絲、武村、しげの家、金柳等)。

「お山」といへば明神裏の開華樓のこと。で、徙崖に倚つて付樓を構へ、東京市街の約半分を一望に見おろす夜の景色の美くしさ、夏の夕の涼しさは、東京でもちよっと他に類はあるまい。こゝも時間制度で芸妓代は別表の通り。別祝儀の利くのは無論二流以下であるが其料金は最低五円、中位十円、最高十五円。今日でも是れ位は出さねばならない。