主なる待合

飄々、花の家、平の井、喜代志、千梅。

此地では何と云つても料亭では魚十、待合では飄々が一際光つてゐる、今も尚その通りかどうか知らないが飄々といふ家は京都風の風雅な庭づくりで、殊に庭下駄をはいて座敷へゆくあたりの気分が伸ンびりとしてゐて好かつた。