主なる待合

おかめ、田川、喜久川、とんぼ。

白山芸妓勉強会といふものが出来て居つて、三業の演芸場に集まつて芸には可なり身を入れてゐる。 踊は花柳で、長唄は勝太郎、常磐津は菊三郎、清元は美都枝、と見渡したところ図抜けた師匠でも無さゝうだが、今に芸事では東京の一流になるつもりださうだといふから、楽しみにして待つてる。

半玉の太鼓も震災後廃めてしまつた。

芸妓代は別表の通りで、別祝儀も、元来安いことを以て特色としてゐる花街だけに、極端に安いと云つてよく、大抵は二円乃至三円、最上五円といふところ。 それも近頃は不景気といふので平座敷も特別座敷も殆んど区別なくやつて居るやうである。 『白山は君、五円札一枚あればいゝんだよ』と言ふ者がある、それぢや新宿品川等の遊廓とおなじ訳で、保証の限りではないが、しかし事実だといふことである。