浅草情調

公園芸妓は何となく田舎くさいと言はれるが、客にも田舎臭いのが多いかも知れない。 一流芸妓となるとなかヽ確かりしてゐるが、二流三流がなくて一流から直ぐ四流どころへどか落する。 それに一寸した宴会にも今以て太鼓などを持出すのは、市内の花街では滅多に見られない風景だが、これも特色の一つで、矢張りそれが浅草気分といふものであらう。