日本橋

日本橋区の西部、外濠の方へ寄つた部分で市街電夢は外濠線の「呉服橋」叉は「上槇町」日本橋通線ならば「通三丁目」下車。

外濠線の八重洲橋と呉服橋との間、電車線路に沿ふた東側檜物町を中心として旧上槇町、数寄屋町、元大工町に亙る一曲輪(今は呉服橋三丁目)で、時に表通りに御神燈を出してる家もあるが、多くは裏通りの路次に、芸妓屋譬待合ひさしをならべて文字通りの狭斜街を成してゐる。

現在芸妓屋 一〇〇軒。芸妓 約二五〇。料理屋 九軒。待合 五十一軒。

東京の花街としては、その規模大なりといふことはできないが、商業地帯の中心たる日木橋を控えて大問屋及び大商店の且那衆や番頭衆、附近の会社員を主なる華客とし、柳橋・葭町あたりと肩を並べて先づ一等地として推される花街である。

遊興制度

芸妓代は別表の通り。